@ 新型コロナウイルスは、まだ分からないことがたくさんあります。その一つが「どれだけの人数が感染したのか?」という疑問です。日々、感染者数が発表になっていますが、無症状感染者(感染はしたものの症状が出ない人)の数は把握できていません。したがって、感染者の人数は実際の一部に過ぎません。致死率(感染した人の死亡率)も、何人が感染したのか分からなければ、正確には出せません。
A 新型コロナウイルスは子どもが感染しにくく、感染しても症状が現れないケースが大半です。死亡した症例もきわめて少ないことが分かっています。調査・研究によると、高齢者はスーパー・スプレッダー(大勢に感染させる媒介者)になりやすいが、子どもは人にほとんど感染させないデータが出ています。この謎も解明されていません。一方、日本人始め東アジアの国では、欧米と比べて感染者数・死亡率が極端に低くなっています。似通ったコロナウイルスの抗体を持っているとか、結核のワクチン「BCG接種」と関連があるとかの研究がされていますが、謎はまだ解明されていません。
B 「重症化する人とそうでない人の違い」についても解明されていません。新型コロナウイルス感染症にかかっても、ほとんどの人は軽症で治ります。しかし、高齢者を中心に感染者の約2割が重症化します。その人の免疫系の状態が関係しているようですが、遺伝的な要因もあると言われています。